北辻 卓也

公益財団法人地球環境センター 専務理事


インタビューシリーズ#5

公益財団法人地球環境センター 専務理事 北辻 卓也氏:

「地球環境問題を考えることは我々の生活のあり方を考えること」


ーーこれまでのIETCとGECの連携活動の道のりを教えて下さい。 

UNEP-IETC設立と同じ1992年にIETCの日本での活動を支援するため、大阪市や大阪府、経済団体等により地球環境センター(GEC)が設立されました。 

GECは、この30年間IETCとともに歩み続け、先進的な環境技術移転に関する情報を世界に発信するなど開発途上国の支援のための画期的なプロジェクトに取り組み評価されてきました。 

GECは、これからも「美しい地球を次世代に継承」するためIETCと協働し、UNEPサステナビリティアクションなどステークホルダーとの連携を通じて、SDGsの達成や脱炭素社会の実現に向けて、ともに活動を進めていきます。 

 

ーーごみゼロを目指すなかで、これまでの課題や取組の成功例や今後の課題があれば教えてください。 

産業革命以降の生活様式の変化が大量生産、大量廃棄の社会を創り出し、温暖化や廃棄物汚染など地球環境問題が待ったなしの状況になっていることは言うまでもありません。しかしながら、そうしたなかで環境に対する人々の意識は着実に深まっており、成果も見えてきています。その顕著な成功事例が日本のごみ減量の取組だと思います。 

例えば、大阪市においては人口は微増しているにもかかわらず、ごみ量は1991年度217万トンであったのが市民の3Rの取組みにより2020年度では86万トンと4割ぐらいに減っています。 

このような成功の裏には、地域コミュニティの力が大きくて町会などが紙ごみやペットボトルをきっちり分別し再資源化することで得た収益を地域の福祉活動等に充てるなど、まさしく環境(ごみ減量)と経済(再資源化による収益)と社会(地域・福祉活動の振興)の統合というSDGsを具現化する典型的な取り組みを実践することによって達成しています。 

地球環境問題を考えることは我々の生活のあり方を考えることにつながると思うのですが、その時に、生活にいちばん身近なごみ問題の成功事例は、今後温暖化を含め世界での地球環境の取り組みを進める上でも大きなヒントになると思います。 

 

ーー今後IETCに期待することを教えてください。 

プラスチック廃棄物対策については、本年3月の国連環境総会において、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際約束を作るための政府間交渉委員会の設立が決定され、本年11月から交渉を開始し、2024 年までに作業を完了することを目指すとされており、今が本当に重要な時期だと思っています。 

IETCは新しいプログラム UNEP サステナビリティアクション を立ち上げ、グローバルに活動を展開されている企業さんとパートナー連携を目指した取り組みを進めています。 

プラスチック廃棄物問題に取り組むためには、消費者や市民との連携はもとより、こうした企業さんとの連携も大変重要だと思います。 

2019年のG20大阪サミットの開催に合わせて、「プラスチックごみ問題に関するUNEPシンポジウム」を開催するなど、IETCはGECと連携しプラスチックに関する各種プロジェクト活動を進めてきました。 

プラスチック汚染に関する国際条約についても、2024年の翌年にはSDGsが主要テーマである大阪関西EXPOも開催されるわけですし、G20における大阪ブルーオーシャンビジョンの成果も踏まえ、IETCが一つの核となってステークホルダーの連携により、日本、そしてこの大阪から国内外へ大きく発信できれば良いなと思っています。もちろんGECも力を尽くしたいと思います。